cf CLI が beta、Wrangler プロジェクトでも cf resource は移行なしで動く
Cloudflare の cf CLI が beta になった。Wrangler 運用者向けに、移行なしで cf resource を使う方法と、cf migrate 後の必須作業を整理する。
Cloudflare の cf CLI が beta になった。Wrangler 運用者向けに、移行なしで cf resource を使う方法と、cf migrate 後の必須作業を整理する。
Cloudflare は 2026年9月28日の changelog で、新しい CLI「cf」を beta として公開した。cf は公開 Cloudflare API と Workers プロジェクトの両方を一つで扱う CLI で、Workers 向けには cf init・cf dev・cf build・cf deploy と、Wrangler の設定ファイルを変換する cf migrate を持つ。Wrangler で運用中のプロジェクトは、移行しなくても cf resource コマンドを実行できると changelog に書かれている。
だから Wrangler ユーザーの選択肢は二つになる。設定を cloudflare.config.ts に変換して Workers の開発・デプロイごと cf に寄せるか、Wrangler の設定はそのままにして cf をリソース操作だけに使うかだ。どちらを選ぶにしても、コマンド・設定・Build Output は stable 版までに変わりうるという beta の但し書きが判断の前提になる。
changelog の説明では、cf は zone、DNS、ストレージ、セキュリティ設定の管理と、Workers の作成・開発・デプロイを「ツールを切り替えずに」行うためのものだ。公開 Cloudflare API は 2,900以上のコマンドでカバーされ、その多くは結果を JSON で出力する。
Workers 側で使うコマンドを並べるとこうなる。
| 用途 | cf のコマンド | changelog の記述 |
|---|---|---|
| プロジェクト作成 | cf init | 型付きの設定ファイル cloudflare.config.ts を使うプロジェクトを作る |
| 開発・ビルド・デプロイ | cf dev / cf build / cf deploy | 上のプロジェクトを開発・ビルド・デプロイする |
| Wrangler からの変換 | cf migrate | Wrangler の設定ファイルを cloudflare.config.ts に変換する |
| 移行しないままの操作 | cf resource | 既存の Wrangler プロジェクトで、移行せずに実行できる |
| コマンド探し | cf cli search | 平易な説明文からタスクに合うコマンドを見つける |
出典:Cloudflare Changelog「Cloudflare CLI is now in beta」(2026年9月28日)
cf cli search は coding agent での利用を想定したもので、cf を事前に知らないエージェントでもコマンドを探して実行できる、と説明されている。
Wrangler そのものの今後、つまり非推奨になるのか、いつまで更新が続くのかは、この changelog には書かれていない。cf の登場を Wrangler の終了予告として読む根拠は、今のところない。
グローバルにインストールしてからサインインする。パッケージマネージャーは npm・yarn・pnpm・bun のどれでもよい。
npm install --global cf
# yarn global add cf
# pnpm add --global cf
# bun add --global cf
cf auth login
cf migrate は Wrangler の設定ファイルを cloudflare.config.ts に変換する。ただし変換だけで cf dev・cf build・cf deploy へ切り替えられるとは限らない。公式の移行ガイドでは、まず cf migrate --dry-run で変更予定のファイルと [required] の追加作業を確認し、本実行前には Git の作業ツリーをきれいにするよう案内している。
移行後も元の Wrangler 設定ファイルは変更されず、cloudflare.config.ts の作成や package.json・ロックファイルの更新が行われる。Durable Objects を使うプロジェクトでは binding の確認と既存 migrations の置き換えが手作業で必須だ。[required] が残ると生成ファイルに throw と TODO(@cloudflare) が入り、それらを解決するまで cf dev・cf build・cf deploy は失敗する。設定の差分を確認し、必須作業を片づけてから開発や本番デプロイを試す。
既存の Wrangler プロジェクトのまま、cf resource コマンドを実行できる。設定ファイルにもデプロイ経路にも手を入れないので、試してみて合わなければ使うのをやめるだけで済む。cf resource が具体的にどのリソースを対象にするかは、changelog には列挙されていない。
変わりうると明記されているのはコマンド、設定、Build Output の三つだ。移行判断に当てはめると次のようになる。
cf migrate で作った cloudflare.config.ts を stable 版に合わせて書き直す可能性がある。cf build の成果物を前提にした後段の処理が影響を受けうる。本番のデプロイを cf deploy に切り替えるのは、こうした変更を追いかけて直せる体制があるチームに向く選択だ。そうでなければ、Wrangler の設定とデプロイ経路はそのままにして、cf resource や API 操作から cf に触れておく道が残っている。Wrangler 周辺のローカル開発ツールの変化は、Miniflare v5 の破壊的変更の記事でも扱っている。